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「バルチック海運指数(BALTIC DRY INDEX)」をYAHOO等で検索すると、「海運株の取引には要注目の指数でありこの指数が騰がれば海運株も騰がる」と株価との関連性が書かれているサイトが多い。しかし業界の人であればこのバルチック海運指数(BDI)が海運全体を表す物ではなく不定期船のみの運賃指数であることは誰でも知っているだろう。ただその詳細はと言えば、1985年のマーケットを1000として算定していると言う事ぐらいで、その歴史とどのように作られるのか知っている人はほとんどいないと思う。1985年から約30年も経ち、船型は大型化し、荷動きやトレーディングパターンがこの最近10年でさえも劇的に変わってしまっている。BACK HAUL(太平洋水域から大西洋水域への航路)のINDEXなどはマイナスの数値(船主が傭船者に傭船料を払う?!)となって久しい。 そしてBALTIC EXCHANGEが公表するINDEXも果たして実際のマーケットを表しているのか懐疑的な声も聞く。そこでPANAMAXをメインにBDIの変遷と最近のマーケットに関して検証・考察してみたいと思う。 さてまず最初に1985年にBFIとして始まった頃のルートは13の航路・貨物を纏めて指数化したものだった。当時は今と違ってT/Cの航路は考慮されていなかった。
1998年にINDEXが細分化されPANAMAXのINDEX(BPI)が公表された。
翌99年には1985年より使われていたBFI(BALTIC FREIGHT INDEX)がBPI,BCI(CAPE),BHI(HANDYMAX)を合わせた総合INDEXとしてBDIに置き換えられた。 2002年にはPANAMAXの大型化により、BPIの標準船型を「船齢7年未満の74000DWT, 容積は89,000CBM, 燃料消費は14KNOTでBALLLAST 32MT/LADEN 38MT IFO ,NO DIESEL OIL AT SEA」に改訂され以前の70000DWTの標準船型と区別するためにNEW BPI TYPEと呼ばれる。しかしPANAMAXの大型化は留まることを知らず、この頃すでに6000DWT.が各日本の造船所から竣工しており、また2002年は最初のKAMSARMAXが常石造船から竣工した年だった。 2006年にはPANAMAXのVOYAGE ROUTE(賃積み)のP1(US GULF/ARA),P2(US GULF/JAPAN),P3(NOPAC/JAPAN)が廃止され、翌2007年から極東からCONTI向けのT/C ROUTEとしてP4が加わり4T/C主要航路となる。それぞれの航路を25%ずつ合わせたのが4T/C AVERAGEである。 2013年1月よりNEW BPI TYPEである74000DWTを76000DWTに変更する話も有ったが結局先延ばしになって現在に至ってる。以上がINDEXの変遷である。 さてそれではBDI(他のBCI/BPI/BSIも同じ)はどうやって数値化されるのだろうか? 再度、WIKIPEDIAで調べると「バルチック海運取引所は海運会社やブローカーなどから鉄鉱石・石炭・穀物といった乾貨物(ドライカーゴ)を運搬する外航不定期船の運賃を聞き取り、結果を取りまとめて同指数を算出、発表する。」と書かれている。 実際はBALTIC EXCHANGEに加盟している欧州の大きなブローカーショップがパネル・ブローカー(CAPEでは13社、PANAMAXでは20社)としてその日のマーケットの数値をBALTIC EXCHANGEに午前中に報告(PANAMAX であれば、P1A, P2A,P3A,P4)、そして午後一時に公表される。 ここで問題となるのは、同じINDEXとは言っても株のINDEXであるDOW JONESや日経平均株価、またはTOPIXのように実際の特定株価の売買の金額を基準としている訳でなく、あくまでのパネル・ブローカーの「意見(コメント)」により数値が作られるという点である。 元より傭船契約は厳秘扱いの「筈」であり、通常傭船契約に至るまでのOFFERまたはCOUNTERには「ALL NEGO AND EVENTUAL FIXTURE SHALL BE STRICTLY P AND C (PRIVATE AND CONFIDENTIAL)」と記述されているので、その数字をFIXTUREとしてマーケットに流布することはできない。しかしながら他人の成約というのは気になる物で、ブローカー同士が毎日成約の詳細を話さないながらもお互いに噂話・ゴシップなどとして情報の交換を行っているので、どこからともなく成約の詳細がマーケットで知られる事になる。 各ブローカーが配信しているFIXTURE REPORTも人の噂話を纏めた物で100%正しい訳ではない。しかしマーケットを知る為には100%の正しい情報でなくてもこの手の情報は不可欠であることは誰もが知っている。 パネル・ブローカーと言えども株のように毎日大量の売買がある訳ではなく、また公表されている主要4航路通りの成約がそうそうある訳でもない。更に前述のNEW BPI TYPE 74000DWTの成約などはほとんどない。 そうなるとどうやって数値を報告するか? 「GUESS」である。成約がなければマーケットの最前線にいるパネル・ブローカーのマーケット観が気配値になり、それが数値化されBALTIC EXCHAGEに報告される。BALTIC EXCHANGEは報告された10件前後の数値を平均しINDEXとして公表するのである。この点が株のINDEXと大きく違う所なのだが、「BALTIC EXCHANGEの歴史」と「唯一無二と言う事」が、恰もマーケットを代表しているかのように扱われているのである。 さてPANAMAXといえども、老齢船や新造船、82000DWTのKAMSARMAXや93000DWTの燃料高消費型中国・韓国製POST PANAMAX 等、船型だけでも多種多様であり、更に最近の燃料代の高騰により、今時NEW BPI TYPEの「14KNOTでBALLLAST 32MT/LADEN 38MT IFO」など運航するオペレーターは皆無で、IFOが$600/MTを超える中で5~6MT多く消費する船の評価は$3000以上差が付いてしまう。従ってECO SPEED/SUPER ECO SPEED と呼ばれるSLOW STEAMを船主が保証出来るかどうかでも評価、傭船料は大きく変わる。トレード・パターンも複雑化しインドネシア炭・豪州炭の中国向けまたはインド向け、NOPAC 積みのインド・中東向け、または太平洋水域からの南米RV等々主要4航路にない成約も多くなってきている。これらの成約を果たしてNEW BPI TYPEに正当に評価し直しているかと言えば正直無理だと思う。様々なFACTORがありすぎる。 更に全く成約がなくセンチメントが冷え込んでくればどうしても悲観的になりざるを得ない。成約がレポートされなければパネル・ブローカーはどうしても前日に報告した数値よりは下げてBALTIC EXCHANGEに報告することになる。INDEXの下げ基調はこうして作られる。 さて「成約が少ない」のは「カーゴがない」とか「マーケットが悪い」からではなく「傭船者の安いアイディア」と「船主の高いアイディア」がぶつかり合って、「成約に至っていない」だけなのである。往々にして週初めの月曜日は船主・傭船者共にマーケット情報収集のために模様眺めで成約は少ない。INDEXが下げ基調であれば言うまでもなく「傭船者は決めずに待つ」。指標となる成約が少ないまま(INDEXは毎日下げて)週中盤になり、ノミネーションの期限が迫ってくると俄に傭船活動が活発化して、船主のアイディアに近いレベルで決まる。しかしINDEXが実際のマーケットを追い越して下がっていたりする事もあるので、そんな時には翌日にINDEXが上方修正される。 普段からマーケットを見ていない人達はこの修正を上昇と勘違いするかもしれないが、元々マーケットは下がっていない。 さて奇妙なINDEXの数値としてPANAMAX のP4 :BACK HAUL(太平洋水域から大西洋水域に行く航路)のマイナスINDEXがある。T/C では傭船者が船主に傭船料を払うのだが、―(マイナス)の数値ということは船主が傭船者に傭船料を払って貸し出すこと・・・ではない。(2012年2月にCAPEのBACKHAULが-$10,000という成約が唯一レポートされている) 運賃の総額から燃料費・港費等を差し引いて足が出た分を航海日数で割って算出されたのがP4のマイナスINDEXである。 しかし2013年にレポートされたPANAMAXのBACK HAULの成約数は僅かに7件で、T/C でなくすべてVOYAGE CHARTER(賃積み)である。今年1月25日付けP4が-1613だった時にGLADSTONEからARAで$16.50という成約が出ている。 絶対成約数が少ないBACK HAULを加重平均せずに、主要4航路に同率で組み入れる4T/C AVERAGEはおかしいのだが、未だに改善されることもない。 T/Cの成約が無い以上0は0 でマイナスにする必要性はないと思うのだが。 さてINDEXの悪い面ばかりを書いてきたが、先日のインドネシアで開かれたCOALTRANS ASIAに参加した際に、船主・オペレーターだけでなく、代理店、商社、シッパーなど様々な人達にINDEXに関しての印象を聞いてみた。MANIPULATE(操作)されているというNEGATIVEな印象を持つ人がいる反面、INDEXがあることで共通認識が保てる。スタンダードが同じ。同じスタートラインで交渉が出来る。長い目で見ればトレンドを表す。人任せ(第三者による値付け=公平である)というPOSITIVEな印象を持つ人もいた。 INDEX-LINKの傭船料であれば、マーケットが下がった時のヤラレが少ないという人もいる。 去年韓国のブローカー協会と釜山の海運集会所の人が日本シップブローカー協会を訪ね、欧州主導のBDIとは違うアジアで新しい独自の海運INDEXを作るので協力して欲しいという話があった。 やはり欧州主導のDRY INDEXに対して疑問視する人達もいることは確かなようだ。 ただ個人的にはINDEXがマーケットを表すとは端から思っていないし、また複数のINDEXが存在すればマーケットに混乱を来すことになると思っている。 「バカとINDEXは使いよう」と割り切り、INDEXの数値により多数の人がどのように反応するのか、連想ゲームのように考えて上手に付き合っていくことが肝要だと思う。
リーマンショック後、局所的・一時的な上昇を除くと全船型(MR~VLCC)においてタンカー市況は低迷し、その主たる原因は『船腹供給過剰』にある(図表①)。 図表① 既存船数と新造船Delivery予定数 (data : Clarksons)
MR (DWT 40~59,999MT)隻数は10年で約2.6倍に増え、2013-14年新造予定163隻(既存船の12.8%)も加わる。2010年初、既に1119隻となった背景には、中国急成長に伴う需要増、欧米製油所閉鎖に伴う中間留分需要増、中東・インドでの製油所増強や新設などによる石油製品需要・供給増、等への期待があったと考えられ、非タンカー船主もタンカー発注者・オペとして名を連ねている。
図表③ 世界のエチレン需要予測(data : 経済産業省) (万トン/年)
2) 中東は高値安定した原油価格により好調な経済を維持。雇用機会創出もあり石化産業を強化し、従来排出していた油田からの随伴天然ガス(エタン)を低コスト原料とする大型プラントを新設。更にエタンとナフサを混合原料とする大型プラントが、Saudi Aramco とDow Chemical により2015年完成予定。石化内需は低いが価格競争力が強い上に世界の石油化学企業から技術力を結集させた高品質で、地理的に世界の石化輸出基地を担えるため、増産分による輸出拡大が期待される。 3) 北米は「シェール革命」により域内生産分が米国内の需給を緩和し、廉価な原料を背景とした競争力によりエチレン生産が復活し(年間150万トン級の大型プラント建設計画が複数有)、南米・欧州向け製品輸出は既に急増中。2017年頃には本格的に製品がアジア太平洋圏へと流れる生産余力が生じ、内需を超え一気に石油製品輸出大国となる見込。シェールオイルは常温・常圧で液体であり、原油よりもガソリンなど軽い石油製品の得率が高い事から、開発・採掘規模に比例して海上輸送機会が増え、長距離輸送を伴う需要可能性も高い。 4) インドは年10%増大している内需を賄う生産能力増強と施設高度化にて競争力・輸出を強化する一方、一部の石化製品は引き続き輸入にて補う見込。 5) 欧州では中小プラントの休廃止が進み、世界でのエチレン生産比率は2010年17.0%から2016年13.9%となり、精製能力減少分は製品輸入にて補われる。 6) アフリカは人口増加による石油製品需要が将来期待され、製品受入に必要な港や装置産業整備が不可欠ながら、東アフリカ地域の石油製品需要330千 B/Dが2020年には500千 B/Dへと約1.5倍になるとされており、足下での輸送契約数も伸びている。 7) 豪州はClyde(Shell)、Kurnell(Caltex Aust)両製油所操業停止により同国精製能力は約28%縮小し(Geelong(Shell)も閉鎖となれば約44%)、精製能力減少分は製品輸入にて補われる。 なお、MRにHandyタイプ(30-39,999 MT)を含むとした場合、新造発注は汎用性が高い47~52,000MTに集中しており、Handyタイプ隻数はさほど増えておらず(図表①)、『MRがHandy市況を将来カバーするため、内実MR供給は過剰ではない』との考えも成り立つ。 一方、ケミカル船では食用油脂等への前荷規制(FOSFA, NIOP)が一般化、パームオイルのインドネシアから欧州向け輸送においてバラストで戻す航海が顕在化しトンマイルが伸びている。今後は同種の規制等によりプロダクトとケミカル、そして各船種での「棲み分け」が進み、『隻数 = 船腹供給』なる単純図式が成立しないことも想定される。 上記等により『2014~15年頃には製品船から本格的なマーケット回復へ』と評され、中でも汎用性が高いMRは世界各所で需要が見込まれている。新造船建造船価を今が底値とすれば、高値安定を続けている燃料代を抑えるエコ仕様船に今リプレースすれば競争力と将来性は十分あり、短期的にはMRへの集中投資は、低迷する太宗船以外の選択として正解と思われる。 しかしその一方で不確定要素として、① 中東や中国の自国製油・精製能力増強、欧州シェールガス生産による域内需給緩和発生、北米でのシェールガス・オイル採掘技術革新による『コスト低減・価格競争力』進捗、などによる複合的要因如何によっては東西各域内で需給が基本的にカバーされ、東西をまたぐ航海需要とトンマイル伸長に影響する可能性。② 本格的な石油製品輸送は、経済性を見込まれLR1-2など大型船輸送へ転じる可能性。③ パナマ運河の拡張工事完了後(2015年?)は全長366M、幅49M、喫水15Mの船型が通過可能となり、新通行料の値上げ幅如何だが、輸送容量大型化・航行日数短縮・燃料節減等が実現し、エネルギー各種の調達ソース多様化と依存度バランスとその調整がより柔軟になり、世界のあらゆる船種・船型のトレーディングパターン全体に大きな影響を与える可能性。などがあり、中長期的にはトレーディングパターンの根本的構造変化を誘引しかねない諸要因を看過できない。
現在、世界の粗粒穀物(大豆・菜種など油糧種子含まず)貿易量は年間約2億5千万トン。そのうち日本の輸入量は約24百万トンと、依然として世界一の地位を誇っている。(ちなみにエジプト、メキシコが15-18百万トン程度で続く)日本の輸入量は過去10年、多少のばらつきはあるものの、ほぼこのレベルで推移しており、数量的には変化はない。しかし、その一方、トレードの様式は近年大きく変化しており、今回はそのあたりにスポットを当ててみたいと思う。 まず一番大きい変化は産地の多角化と言っていいだろう。トウモロコシに限って言えば、5年前はほぼ全量米国産で、積み港はシアトル・ポートランドなどの所謂PNW積み、もしくはニューオリンズ(USG)積みのどちらかであった。実際弊社の成約を振り返ってみても、2009年はこの2つのルート以外のものはない。しかし、2010年以降のトレードを見てみると、南米(ブラジル、アルゼンチン)、黒海(ウクライナ、ルーマニア)、南アフリカ、タイなど、それまであまり見なかった産地が多数成約されており、直近の2013年4-6月積みに絞ってみれば、アルゼンチン産の成約数が米国産を上回っている。 米国産の価格高騰によりそれらの産地が相対的に競争力を持った結果であるが、過去米国産以外のトウモロコシ使用に消極的だった配合飼料メーカーも厳しい経営を強いられており、背に腹は変えられぬといった事情もあるかもしれない。またここ最近は、米国産の品質低下、南米産の品質向上で、一部ユーザーからは逆に南米産を希望する声もあるように聞いている。ただ、南米の穀物トレードには様々なリスクがあることも認識せねばならない。例えば米国であれば、産地から西海岸へは貨車で、ニューオリンズへはミシシッピー川をバージで運ばれるのが通常の輸送形態であり、効率的且つ安定的な輸送体系となっている。 しかし、南米ではいまだにトラック輸送が主流となっており、船が港に着いても貨物が揃っていないなどといった状況は日常茶飯事である。また、トラック業者、荷役業者のストライキも恒例行事となっており(米国でもトラブルが無いわけではないが)、それに起因する船積み遅れのリスクも拭いきれないことから、価格だけを見て、南米一本に絞るのは日本への安定供給の観点からやや心配なところもある。事実、昨年はブラジル産トウモロコシの船積み遅延により、国の備蓄を一部開放せざるを得ない状況に至った。今後、南米産優位の状況が恒常化したとしても、インフラの改善がない限り、米国産もある程度は輸入を継続していくことになるだろう。 次に船型に目を移すと、飼料穀物TRADEの代表的なものであるUSG/JPNは従来PANAMAXメインで行われており、EUROPE FREEの船をUSGまでバラストさせてPANAMA運河経由で運んでいた。PANAMAX TRADEの中でもその地位は確立されており、BATTIC EXCHANGEもPANAMAXのVOYAGE INDEXとして2002年まで毎日発表していた。 しかし、船の大型化により、PANAMAXのDEAD SPACE増大(PANAMA運河のDRAFTで積載数量が限定される為、もともと満船にはならない)、SUPRAMAXのCGO SIZE増加(所謂HANDYMAX時代は45,000LT程度で運ばれていたが、現在SUPRAMAXの積載数量は約50,000LT程度ある)という現象が起こったこと、又、USG向けの鋼材、セメントなどがSUPRAMAXで運ばれるようになったことで、USG FREEのSUPRAMAXの隻数が増えたことなどから、PANAMAX/SUPRAのFREIGHT SPREADが逆転し(市況次第で瞬間的にPANAMAXが安い場面ももちろんあるが)、いつしかこのTRADEはSUPRAMAXが主流になった。 多産地化により、揚げ地のサイロスペースにゆとりがなくなり(違う産地の貨物を同じサイロビンに保管できない為)、そもそもPANAMAXでは揚げ港の増加や滞船のリスクなど余分なコストがかかってしまうという本邦での事情もあるのかもしれない。上述の通りSUPRAMAXではEUROPE FREEではなく、USG FREEの船を使う事が多いが、USGエリアは、域内向け貨物量の浮き沈み(米国の経済状況、建築資材の荷動き)、USGから出てくる貨物(GRAIN以外にはPETCOKEなど)量の変化が激しく、短期間で大きく市況が変わるエリアとなっており、数あるTRADEの中でも一番MARKET RISKの高いTRADEの一つであると言う事ができる。又、通常穀物の商売は2-3ヶ月先を決めることが多い為、各船社、FFAを駆使して運賃を計算するが、PANAMAX ROUTE 2Aに比べ、SUPRAMAXのFRONTHAULはHEADGEもし難く、慣れていない船社にはなかなか手が出し辛いROUTEでもある。 以上過去から現在へのTRADEの変化をまとめてみたが、それでは今後はどのように変化していくのだろうか。まず間違いなく起こる現象として、人口減少による需要の後退が挙げられる。又、高齢化が同時に進むこともあり、畜産物の需要はそれなりに落ちこんでしまうことになるだろう。高齢者の食肉需要は若者に比べどうしても落ちてしまうからである。又、昨今盛んに議論されているTPPだが、仮に肉の輸入が増加すれば、当然その分の国内飼料需要は落ち込むことになる。 現在は日本全国北海道から九州まで、各商社合わせて20港以上に配船しているが、需要減が配合飼料業界再編を促し、メーカーの統廃合、工場の集約などが起これば、ある程度揚げ港の数が絞られていく可能性があるかもしれない。逆にそうなっていかないとすれば、現在計画されている、一部港湾の整備、浚渫は全く意味のないものになってしまう。パナマ運河拡張、日本の港湾整備で物理的には大型船でのTRADEが可能にはなってはくるだろうが、果たしてそれが経済性を伴うものなのかどうか。異論を唱える向きも多いだけに、今後の展開が注目されるところである。
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